日常生活や仕事の中で、「上旬」という言葉をよく耳にすることがあります。
例えば、「1月の上旬に旅行の予定がある」や「納品は3月の上旬を予定しています」などの表現が使われます。
しかし、「上旬」が具体的に何日から何日までを指すのか、明確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
一般的には「上旬」とは月の1日から10日までの期間を指します。
ただし、人によっては「1日から15日までを含む」と考える場合もあり、このように解釈の違いが生じることもあります。
この言葉の由来には歴史的な背景があり、時代や文脈によって意味が変わることもあります。
日本の古い書籍などを見ると、月を三つの期間に分けている表現がみられます。
これは、上旬、中旬、下旬と分けるしきたに由来しており、「上旬」はその最初の部分を指す言葉として存在しました。
そのため、日本人の間では以前から「月の前半」を指す意味で使われていましたが、時代の流れと共にその指す範囲がより明確になり、現代では1日から10日までを指すのが一般的になっています。
事務系の仕事やビジネスシーンでは、納品期限や提出期限を指定する際に「上旬」という言葉を使うことが多くあります。
しかし、解釈によって日付が広がることがあるため、一定の変動に注意する必要があります。
例えば、特定の期日を定める際には「1月上旬」ではなく「1月の初め頃」や「1月の10日以内」などのより明確な表現を使うことで、誤解を防ぐことができます。
言葉の意味をしっかり理解し、適切に使いこなせるようにしましょう。
「上旬」の終わりはいつなのか?辞書の定義に基づいて解説
人々は「上旬」の終わりをあいまいに認識していることが多いかもしれません。
一般的には「10日ごろまで」と言われることが多いでしょう。
しかし、辞書の定義を見ると、もっと明確な固定の期間が指し示されています。
例えば、goo辞書では「上旬」について次のように説明しています。
上旬(じょうじゅん): 月の1日から10日までの期間。初旬。上涣(じょうかん)。
この説明からも明らかなように、「上旬」は毎月1日から10日までの10日間を指すことがわかります。
そして、この言葉には「初旬」や「上涣(じょうかん)」という名前も付けられており、実質的には同じ意味で使われることが多いでしょう。
「上涣(じょうかん)」とは?
ここで気になるのが「上涣(じょうかん)」という言葉です。
今の日常使い語では機会が少ないためあまり聞き慣れない言葉ですが、この言葉は古代中国の飛騰時代に由来します。
唐の時代には、官員(役人)は10日ごとに休暇を与えられる権利がありました。
その際、たいてい全身を洗洗する機会を持ったため、「涣(あらう)」の字を含む「上涣(じょうかん)」という表現が誕生したのです。
このように、辞書の定義と古代中国の文化的背景を搭述してみると、「上旬」は月の初めの10日間を指し、正確には1日から10日までの期間であるということが分かります。
例えば、「上旬に予定した会議」という表現は、その月の1日から10日までのいずれかに開催されることを意味します。
これにより、「上旬の終わりはいつ?」と聞かれれば、「10日」と明確に答えるのが正しいといえるでしょう。
「上旬」の意味と正しい使い方
「上旬」という言葉は、日常会話やビジネスシーンで広く使われます。
ただし、その意味を誤解したまま使うと、意図が正しく伝わらないこともあります。
そこで、日常生活と仕事の場面に分けて、「上旬」の適切な使い方を紹介します。
「上旬」の意味
「上旬」とは、月初めから10日頃までの時期を指します。正確な区分として、「上旬」は1日から10日までとされていますが、小話の中では平気で10日前後を指すこともあります。
この点を理解していると、使う際に混乱せずに済みます。
日常会話での「上旬」の使い方
友人や家族との会話では、「上旬」という言葉を使ってスケジュールの目安を伝えることができます。
日付を精精しく指定せず、大まかな時期を伝えたいときに便利です。
例文
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「2月の上旬に久しぶりに会いたいけど、予定どう。」
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「7月の上旬に旅行に行く予定だけど、その頃の気温ってどれくらいかな。」
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「10月の上旬に体調を崩しちゃって、まだ完全には治ってないんだ。」
このように、「上旬」を使うことで、相手にある程度の時期を伝えることができます。
ビジネスシーンでの「上旬」の使い方
仕事の場面では、より正確な時期を伝えるために「上旬」を適切に使うことが重要です。
例えば、プロジェクトの進捗報告や、経営計画の話し合いなどでも使われます。
例文
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「今月の上旬中にレポートを提出します。」
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「会社の新商品は、来月の上旬に発売予定です。」
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「上旬中に議論を終了して、中旬から実装に移ります。」
このように、仕事の場面では定確な日付を使う場合と混同しないよう注意しましょう。
これらを意識すると、「上旬」を正しく理解し、不安を与えない使い方ができるようになります。
「中旬」と「下旬」はいつからいつまで?
「上旬」の意味が分かったところで、「中旬」と「下旬」の期間についても整理しておきましょう。以下の表にまとめました。
用語 | 期間 | 備考 |
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上旬 | 1日〜10日 | 「初旬」「上澣」と同じ意味 |
中旬 | 11日〜20日 | 一般的に変わることのない10日間 |
下旬 | 21日〜月末 | 月によって日数が異なる |
「下旬」の日数の違いについて
「上旬」と「中旬」は常に10日間ですが、「下旬」は月によって日数が変わります。具体的には、以下のようになります。
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2月(28日または29日) → 下旬は8日間または9日間
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4・6・9・11月(30日) → 下旬は10日間
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1・3・5・7・8・10・12月(31日) → 下旬は11日間
このように、下旬の日数は月によって異なるため、特にビジネスやスケジュール管理の際には注意が必要です。
たとえば、2月の下旬を指す場合、28日までの年と29日までの年があるため、正確な日付を示すことが望ましいでしょう。
「上旬」「中旬」「下旬」の正しい使い方
「上旬」「中旬」「下旬」は、日常生活やビジネスシーンでよく使われますが、具体的な日付を明示するとより正確な表現になります。
例えば、
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「〇〇の上旬に会議を予定しています」と言う場合、1日〜10日を指すので、具体的な日付(例:5日頃)を示すと誤解が少なくなります。
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「〇〇の下旬に納品予定です」と伝える場合、月によって日数が異なるため、「25日〜30日頃」などと補足するとより明確になります。
「上旬」とは何日まで?中旬・下旬との違いもスッキリ解説のまとめ
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「上旬」は1日〜10日を指す(「1日〜15日」という解釈は誤り)
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「初旬」「上澣」は「上旬」と同じ意味を持つ
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「中旬」は11日〜20日、下旬は21日〜月末までと定義される
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「下旬」の日数は月によって異なり、8日間〜11日間の範囲となる
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ビジネスシーンでは「上旬」などの表現を使う際に、具体的な日付を示すとより親切で分かりやすい
この知識を活用し、日常生活や仕事の場面で適切に「上旬」「中旬」「下旬」を使い分けましょう!